妊娠中のむくみ原因と対策|日常生活でできる予防&改善ポイント
- 2025.12.2
- m.i journal vol.44
- コラム
妊娠中、夕方になると足がパンパンに重くなったり、指輪がきつく感じたりして不安になることはありませんか。この記事では、妊娠中のむくみの原因と、自宅や外出先で簡単にできる対策を紹介します。読み終えるころには、日常に取り入れやすい予防法がわかり、快適にマタニティ期を過ごすためのヒントが見つかるはずです。
妊娠中のむくみとは

妊娠中のむくみは、多くの妊婦さんが経験する体の変化の一つです。血液量の増加やホルモンの影響で水分が体にたまりやすくなることが主な原因で、特に下半身に症状が出やすい傾向があります。夕方になると足が重く感じたり、靴がきつくなったりすることも少なくありません。ほとんどは一時的なもので、生活習慣を工夫すれば軽減できます。ただし、強いむくみや急な変化には注意が必要です。
妊娠期に見られるむくみの特徴
妊娠中のむくみは、皮膚を押すと跡が残る「圧痕」が出やすいのが特徴です。特に夕方に足首やふくらはぎが腫れて重だるくなるケースが多く見られます。妊娠前はむくみを感じなかった人でも、妊娠中は体内の水分バランスが変化するため症状が出やすくなります。気温や体調によってもむくみの度合いが変わるため、毎日の変化を把握することが大切です。
むくみやすい部位
妊娠中にむくみが出やすい部位は、足首やふくらはぎ、手の指などです。特に下半身は重力の影響で水分がたまりやすいため、夕方になると症状が強くなる傾向があります。さらに、靴や指輪がきつく感じることで生活の不便さを感じる人も少なくありません。顔やまぶたにむくみが現れる場合もありますが、急激な変化があるときは注意が必要でしょう。
むくみが出やすい時期
むくみが最も出やすいのは妊娠後期です。お腹が大きくなることで血管が圧迫され、下半身の血流やリンパの流れが滞りやすくなります。特に妊娠7ヶ月以降は、日常的に足の重さや腫れを感じる方が増えてきます。また、夏場など気温が高い時期はさらにむくみやすくなる場合もあります。無理をせず、日常の中でこまめに対策を取り入れることが必要です。
妊娠中にむくみが起こる主な原因

妊娠中のむくみは、多くの妊婦さんに見られる自然な体の変化です。主な原因にはホルモンバランスの変化、血液量の増加、子宮の成長による血管圧迫、さらに生活習慣や体質の違いが挙げられます。これらの要因が重なることで水分の巡りが滞りやすくなり、むくみとして現れます。仕組みを知ると、正しい対策が取りやすくなるでしょう。
ホルモンバランスの変化
妊娠中は女性ホルモンの分泌が大きく変化し、体内の水分バランスが乱れやすくなります。特に妊娠後期は黄体ホルモンの影響で血管が拡張し、水分が血管外にしみ出しやすくなるのが特徴です。そのため、足や手が腫れぼったく感じたり、靴下の跡が残りやすくなります。ホルモンの変化は自然な働きなので避けることはできませんが、軽い運動や姿勢の工夫で症状を和らげることは可能です。
血液量の増加による影響
妊娠中は赤ちゃんに栄養や酸素を届けるため、血液の量が通常よりも30〜50%ほど増えます。この増加した血液は全身を循環する際に血管へ負担をかけ、余分な水分が組織にたまりやすくなります。特に下半身は重力の影響で血液や水分が戻りにくく、夕方に足がパンパンになることも。体を締め付けない姿勢や足を高くして休むといった工夫が役立ちます。
子宮の成長による血管圧迫
お腹が大きくなるにつれて、子宮が骨盤内の血管を圧迫し、血液の流れが滞りやすくなります。特に下半身から心臓に戻る血流が妨げられるため、足のむくみが強く出やすい傾向があります。妊娠後期になると長時間立ちっぱなしや座りっぱなしの姿勢でむくみの症状がでる場合も。休憩時に足を高くしたり、軽いストレッチを取り入れることで圧迫による影響を和らげられるでしょう。
生活習慣や体質による差
むくみの出やすさは、食事内容や運動量、体質によっても大きく変わります。例えば、塩分を摂りすぎると体に水分がたまりやすくなり、カリウムが不足すると水分の排出を妨げる要因になることも。冷え性の人や運動不足の人は血流が滞りやすく、むくみを強く感じやすい傾向があります。同じ妊婦さんでも症状に差があるのはこのためです。生活習慣を見直すことが、むくみの改善につながります。
妊娠中のむくみに注意が必要なケース

妊娠中のむくみは多くの場合自然な変化ですが、中には体の不調を知らせるサインの場合もあります。特に妊娠高血圧症候群の兆候や、短期間での急激な体重増加を伴う場合は注意が必要です。普段と違う強いむくみや体調の変化を感じたときは、自己判断せず早めに医師へ相談すれば不安解消につながります。
妊娠高血圧症候群が疑われる症状
むくみが急に強くなったり、顔や手にまで広がったりする場合は、妊娠高血圧症候群の可能性があります。この病気は高血圧やたんぱく尿を伴い、母体と赤ちゃんに影響を与えるリスクがあります。例えば「靴が入らないほど足が腫れる」「まぶたが腫れて視界がぼやける」といった症状は見逃せません。軽いむくみと違い、体全体に広がるのが特徴です。こうした変化を感じたら、迷わず医師に相談しましょう。
急激な体重増加や体調の変化
短期間で2〜3kg以上体重が増えた場合や、強い頭痛・めまいを伴うむくみは注意が必要です。急な体重増加は体内に水分が異常にたまっているサインであり、妊娠高血圧症候群などの合併症の前触れとなる場合があります。また、全身のだるさや息苦しさを感じる場合も要注意。普段から体重や体調を記録しておくと異変に気づきやすくなります。気になる症状が続くときは放置せず、早めに受診して状態を確認してもらいましょう。
日常生活でできる妊娠中のむくみ対策

妊娠中のむくみは生活習慣を少し工夫することで軽減できます。食事や服装、体の動かし方など、毎日の過ごし方を意識するだけでも変化が期待できるでしょう。自分に合った工夫を積み重ねれば、むくみを和らげ快適に過ごせるようになります。
塩分と水分の取り方を見直す
塩分を摂りすぎると体に水分がたまりやすくなり、むくみを強める原因になります。加工食品やインスタント食品には塩分が多く含まれているため注意が必要です。また、水分を控えすぎるのも逆効果で、血流が滞りやすくなります。塩分を控えつつ、水分は一度に大量ではなく、こまめに飲むことを意識すると良いでしょう。
カリウムを多く含む食品を取り入れる
カリウムには体内の余分なナトリウムを排出し、水分バランスを整える働きがあります。妊娠中でも取り入れやすい食品として、バナナ・ほうれん草・さつまいも・大豆製品などが挙げられます。普段の食事に加えることで、自然とカリウムを摂取できるでしょう。おやつに果物を選ぶ、夕食に野菜を一品増やすなど、簡単な工夫から始めましょう。
体を締め付けない服や靴を選ぶ
妊娠中は血流やリンパの流れが滞りやすく、きつい服装はむくみを悪化させる原因になります。特にウエストや足首を強く締め付ける衣類は避けた方がいいです。ゆったりとしたマタニティ用の服や、ゴムの柔らかい靴下を選ぶと快適に過ごせます。靴はサイズがきつくないものを選び、長時間の外出では履き心地も重視しましょう。服装の工夫だけでもむくみ予防につながります。
足を高くして座る
座っているときに足を床にまっすぐ下ろしたままだと、血流が滞りやすくむくみの原因になります。椅子に座るときは足元に台やクッションを置き、少し高めの位置に保つのがおすすめです。横になるときはふくらはぎの下にクッションを入れるとさらに効果的です。少し高さをつけるだけでも、夕方の足のだるさを軽くできます。
ストレッチやウォーキングをする
軽い運動は血流を促し、むくみ解消に役立ちます。特に妊娠中は無理のないストレッチやゆったりしたウォーキングがおすすめです。足首を回す、ふくらはぎを伸ばすといった動きでも効果があります。長時間座りっぱなしや立ちっぱなしを避け、体を少しずつ動かすことがポイントです。毎日の生活に軽い運動を取り入れれば、体調管理とむくみ対策を両立できます。
外出時や就寝時のむくみ予防

妊娠中のむくみは日中の過ごし方や夜の休み方によっても大きく変わります。特に外出中や睡眠時は体に負担がかかりやすいため、工夫して血流を妨げないようにすることが欠かせません。アイテムの活用や姿勢の調整など、小さな習慣を取り入れることが症状の緩和につながります。
着圧ソックスや弾性ストッキングの利用
外出時のむくみ対策として着圧ソックスや弾性ストッキングを使う方法があります。これらは足首からふくらはぎにかけて段階的に圧をかけ、血液やリンパの流れを助けてくれます。特に長時間立ちっぱなしや歩き続けるときに効果的です。市販のマタニティ用タイプなら締めつけが強すぎず取り入れやすいでしょう。無理なく使えるものを選び、外出時のむくみを和らげるサポートにしましょう。
移動中や長時間座るときの工夫
長く座りっぱなしだと、足に水分がたまりやすくむくみが強くなります。電車や車では、足首をくるくる回す、つま先を上下に動かすだけでも効果的です。家でデスクに向かうときは、踏み台や厚めの雑誌を足元に置くとやわらぎます。外出先では、できるときに少し立ち上がって歩いたり、トイレに行くタイミングで軽く体を伸ばしたりもおすすめです。小さな工夫を重ねるだけで、むくみの出方はぐっと変わっていきます。
寝るときの姿勢や枕・クッションの活用
就寝時も足が下がったままだとむくみが取れにくいため、姿勢を工夫することが必要です。横向きで寝ると下半身の血流が促されやすくなり、むくみの軽減につながります。さらに、足の下に枕やクッションを置いて少し高くすると血液やリンパの流れがスムーズになります。抱き枕を使って横向き姿勢を安定させるのもおすすめです。
まとめ

妊娠中のむくみは、多くの人が経験する自然な変化です。だからこそ、足が重く感じたり指輪がきつくなったりしても「よくあることなんだ」と安心して大丈夫。大切なのは、完璧にやろうとしないこと。水分のとり方を工夫したり、足を少し高くして休んだり、軽く歩いて気持ちを整えるだけでも十分です。
m.i(ミィ)は、からだも心もゆらぎやすい時期を過ごすあなたに、そっと寄り添いたいと考えています。できることを重ねていくうちに、気持ちも少しずつ軽くなっていくはず。今日を乗り越える工夫が、明日の心地よさにつながりますように。

