産後の不眠がつらい…眠れない理由と今日から実践できる対策法
- 2025.11.25
- m.i journal vol.42
- コラム
出産後、眠りたいのに眠れずつらい…そんな悩みを抱えていませんか?授乳や夜泣きで睡眠が細切れになり、心も体も休まらない日々に戸惑う方も多いでしょう。本記事では、産後に不眠が起こる原因と、今日から実践できる具体的な対策をわかりやすく紹介します。読み終えたときには、自分に合った工夫が見つかり、穏やかな眠りと前向きな気持ちを少しずつ取り戻せるはずです。
産後に眠れないのはなぜ?

出産後は「眠りたいのに眠れない」と感じる方が多くいます。背景には体と心の大きな変化が関係しています。主に、ホルモンの乱れ、赤ちゃんのお世話、体の不調などが原因です。特に出産直後の時期は生活リズムが乱れやすく、深い睡眠を得ることが難しくなります。なぜ眠れないのかを理解することで、自分に合った対策がとりやすくなるでしょう。
ホルモンバランスの変化で気持ちが高ぶるから
産後は女性ホルモンの分泌が大きく変化します。妊娠中に増えていたエストロゲンやプロゲステロンが一気に減少し、自律神経のバランスが崩れやすくなります。その結果、気持ちが高ぶってリラックスできず、眠りにつきにくい状態が続いてしまうことも。さらに情緒が不安定になる場合もあり、眠れない夜が増えてしまいます。こうした変化は自然なことですが、原因を知ることで心が少し軽くなるはずです。
授乳や夜泣きで睡眠が分断されるから
赤ちゃんは3時間ごとに授乳が必要なため、どうしても睡眠が細切れになります。ようやく眠れても夜泣きで起きてしまい、深い眠りに入る前に中断されるケースも多いです。母親は眠りのリズムを作りにくく、慢性的な寝不足につながります。授乳後にうまく二度寝ができないと、疲労がどんどん蓄積してしまうのです。こうした分断睡眠は産後特有の課題といえるでしょう。
体の痛みや不調で眠りづらくなるから
産後は体の回復が十分でなく、腰痛や会陰部の痛み、帝王切開後の傷の違和感が残ることがあります。さらに肩こりや背中の張りも加わり、寝返りを打つのもつらいと感じる方も少なくありません。痛みや不快感があると、布団に入ってもリラックスできず、眠りが浅くなりがちです。こうした体調不良を放置すると不眠が長引く原因になるため、まずは体を労わることが大切です。
産後の不眠はいつまで続くのか

出産後の不眠はずっと続くわけではなく、時期によって変化していきます。特に生後間もないころは授乳や夜泣きで眠りが途切れやすく、強い寝不足を感じやすいでしょう。しかし、赤ちゃんの成長とともに少しずつ睡眠のリズムが安定していきます。個人差はありますが、月齢が進むにつれて不眠は徐々に軽くなるのが一般的です。
新生児期〜生後3ヶ月がもっとも眠れない時期
産後すぐから生後3ヶ月ごろまでは、母親がもっとも眠れない時期といわれます。新生児は昼夜を問わず2〜3時間ごとに授乳やおむつ替えが必要なため、母親の睡眠は細切れになりがちです。深い眠りに入る前に起こされることが繰り返され、強い疲労感を抱える方も多いでしょう。この時期は「眠れないのが当たり前」と割り切り、短時間でも休息を確保する工夫が必要です。
赤ちゃんの生活リズムが整うと改善しやすくなる
生後3〜4ヶ月を過ぎると、赤ちゃんの体内リズムが徐々に安定し、まとまった睡眠が取れるようになってきます。夜中の授乳回数も減り、母親自身も休みやすくなるのが特徴です。もちろん個人差はありますが、赤ちゃんの生活リズムが整えば、母親の睡眠回復にも繋がります。昼夜の区別を意識した生活や、寝かしつけの習慣を取り入れると、不眠の改善につながっていくでしょう。
産後の不眠を悪化させる要因

出産後の眠れなさは自然な変化によるものですが、生活習慣や環境によってさらに悪化する場合があります。特にストレスや無理な家事負担、カフェインやスマホといった刺激は睡眠の質を低下させる原因に。これらを見直すことが、不眠をやわらげる糸口となるはずです。
ストレスによる自律神経の乱れ
産後は育児のプレッシャーや寝不足が重なり、強いストレスを感じやすくなります。ストレスが続くと自律神経のバランスが崩れ、寝たいのに頭が冴えて眠れない状態になりがちです。特に、夜中に赤ちゃんの泣き声で起きた後に、再び眠れずストレスが増すといったケースもよくあります。
家事や育児を一人で抱え込む
家事や育児をすべて自分で背負うと、心身の疲労が強くなり不眠を悪化させます。赤ちゃん中心の生活では予想外のことが多く、思うように休めないからです。例えば掃除や料理を完璧にしようとすればするほど、睡眠の優先度が下がってしまいます。できることはパートナーや家族に任せるなど、負担を減らす工夫が必要です。
カフェイン・スマホなどの刺激物
コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは覚醒作用があるので、夜にカフェインを摂取するのは控えましょう。また、スマホやタブレットの光も脳を刺激し、眠気を遠ざける原因になります。寝る前にSNSを見ているうちに目が冴えてしまったことは、多くの人が経験したことがあると思います。夜はカフェインを控え、スマホを早めに手放すことで、眠りやすい環境作りを心がけると良いでしょう。
産後の不眠を軽くするための行動

出産後の不眠を少しでもやわらげるには、生活の中で無理なく取り入れられる工夫が大切です。寝室の環境を見直したり、短時間の仮眠をうまく活用すること、そして家事の負担を減らして休む時間を確保することがポイントになります。小さな工夫を積み重ねることで、眠りやすさは少しずつ整っていきます。
寝室環境を整える
眠りの質を上げるためには、まず寝室の環境づくりが欠かせません。部屋の明るさや温度が合わないと、寝つきが悪くなりやすいからです。遮光カーテンで光を遮り、エアコンや加湿器で快適な温湿度を保つと眠りやすくなります。また、寝具も清潔に保ち、自分の体に合うマットレスや枕を選ぶのが重要です。眠る場所を整えることは、産後の体を休ませるきっかけになります。
短時間でも休める仮眠の取り方
まとまった睡眠がとれないときは、短時間でも休む工夫が必要です。授乳の合間や赤ちゃんが昼寝しているときに、15〜30分ほど横になるだけでも心身は楽になります。長く眠ろうとすると逆に目が冴える場合もあるため、短い仮眠をこまめにとるのがおすすめです。横になるだけでも脳が休まり、育児への疲労感を軽くできます。
家事を減らして休む時間を確保する
産後は赤ちゃんのお世話が中心になるため、家事をすべてこなそうとすると体が追いつきません。掃除や料理を完璧にしようとせず、できない部分は後回しにしたり家族に頼ったりすることが欠かせません。宅配サービスや家電を活用して家事を減らすのも有効です。自分の休息を優先するのは決して怠けではなく、育児を続ける力を養うために必要なことです。
産後の不眠に向き合う心の整え方

産後の不眠は体だけでなく心にも負担をかけます。眠れない自分を責めるとさらに緊張が高まり、眠りづらさが悪化する場合もあります。ポイントになるのは「眠れない夜があっても大丈夫」と受け止めることです。気持ちをやわらかく保つことで、不眠への向き合い方も少しずつ変わっていくでしょう。
感情のゆらぎを否定せずに受け止める
出産後はホルモンの変化や睡眠不足から、感情が不安定になりやすい時期です。泣きたい気持ちやイライラを無理に抑え込むと、かえって心が疲れてしまいます。そんなときは「今の気持ちは自然なこと」と受け止めてあげるのが必要です。日記に書き出したり、深呼吸をして気持ちを落ち着けるのも効果的です。自分の感情を認めることで、心の緊張がほぐれ、眠りやすさにつながります。
パートナーや周囲に助けを求める
不眠がつらいときは、一人で抱え込まずに周囲へ頼ることも必要です。パートナーに授乳後の寝かしつけをお願いしたり、家事を分担するだけでも休む時間が確保できます。実家や友人に相談して、数時間だけでも赤ちゃんを預かってもらうのも良いでしょう。小さなサポートでも積み重なると、心と体の余裕につながります。助けを求めることは甘えではなく、健やかに育児を続けるための大事な選択です。
こんなときは専門家に相談しよう

産後の不眠は多くのママが経験しますが、中には自分だけで解決するのが難しい場合もあります。心の不調や生活に支障をきたすほどの睡眠不足は、専門家に相談しましょう。早めに医師や専門機関に頼れば、回復のきっかけを得やすくなります。
気分の落ち込みや涙が止まらないとき
眠れない状態が続き、気持ちの落ち込みや涙が止まらない状況は注意が必要です。これは「産後うつ」のサインである場合もあり、一人で抱え込むとさらに悪化する可能性があります。産婦人科や心療内科に相談すれば、症状に応じた適切なケアを受けられます。周囲に理解してもらうことも回復の助けになるため、家族や友人に正直に気持ちを伝えることも必要です。
生活に支障が出るほど眠れない場合
不眠の影響で家事や育児が手につかず、日常生活に支障を感じるようになったら、迷わず医師に相談しましょう。強い寝不足が続くと、集中力の低下や体調不良を招き、赤ちゃんのお世話にも影響しかねません。専門機関では睡眠の質を改善するアドバイスや必要に応じた治療が受けられます。早めに対応することで、心身の回復もスムーズに整っていくはずです。
まとめ

産後の不眠は、心と体の両方に大きな負担をかけます。眠れない夜が続くと、不安や焦りが強まることもありますが、それは決してあなただけの悩みではありません。
m.i(ミィ)は、がんばりすぎているあなたに「少し休んでも大丈夫」と伝えたいと思っています。眠れない夜も、やがて必ず落ち着いていく時期がやってきます。その日まで、ほんの短い時間でも横になったり、誰かに助けを頼んだりすることを自分に許してあげてください。
小さな積み重ねが、やがて心と体をやさしく整えてくれるはずです。あなたが安心して赤ちゃんと向き合える日々になりますように。

