Vol.14

妊娠中に頭皮の乾燥が気になる|フケやかゆみの原因と対処法

  • 2025.8.20
  • m.i journal vol.14
  • コラム

かゆみやフケが気になるけど、妊娠中って特別な対処が必要?と思っている方へ。体も肌も変化しやすいこの時期、頭皮の乾燥に悩む方は少なくありません。どうして起こるのか、ケアする方法はあるのか、一緒に見ていきましょう。

妊娠中に頭皮が乾燥しやすくなる理由とは

妊娠期には、これまでと違う肌や髪の変化を感じる方が多くなります。とくに頭皮は、目に見えにくい部分でありながら、乾燥やかゆみといった違和感が現れやすい場所です。ここでは、妊娠中に頭皮が乾燥しやすくなる主な原因についてわかりやすくまとめていきます。

ホルモンバランスの変化

妊娠期は、体の中でさまざまなホルモンが増減を繰り返しています。その影響で、肌や頭皮のうるおいバランスが崩れることがあるようです。特に皮脂の分泌がいつもと異なると、頭皮がベタつきやすくなったり、逆に乾きやすくなったりすることもあります。

こうした変化は、肌の調子と同じく日によって波があることもあります。あまり神経質になりすぎず、今の自分に合ったケアを見つけることが大切です。

妊娠中の体温上昇と水分不足

妊娠すると、基礎体温が高い状態が続きます。これにより汗をかきやすくなり、水分が体の外へと出やすくなります。さらに、赤ちゃんに栄養や水分が優先的に送られるため、自分自身の水分が不足しがちになります。

水分が足りなくなると、頭皮も乾燥しやすくなります。そのため、こまめな水分補給と、保湿を意識したヘアケアが欠かせません。

肌が敏感になっている

妊娠中は、肌全体が敏感になりやすい状態です。今まで問題なく使っていたシャンプーやトリートメントでも、刺激を感じることがあります。頭皮に合わない成分が刺激となり、赤みやかゆみを引き起こし、乾燥につながるケースも見られます。

また、季節の変わり目や外的な刺激(紫外線・乾燥した空気など)に対しても敏感になる傾向があります。ちょっとした変化でも頭皮トラブルにつながるため、普段よりも慎重にケアすることが大切です。

つわりや生活の変化

妊娠初期には、つわりの影響で、入浴やシャンプーがつらくなることがあります。体調によっては、髪を洗う回数が減ったり、十分にすすげなかったりすることもあるかもしれません。こうしたことが頭皮環境の悪化につながり、乾燥やフケの原因になることがあります。

さらに、生活リズムの乱れや睡眠不足、栄養の偏りなども重なって、頭皮のターンオーバー(新陳代謝)が不安定になることがあります。こうした変化は誰にでも起こり得ることであり、必要以上に自分を責める必要はありません。まずは、自分の体調に合わせて無理のない範囲でできることから始めることが大切です。

妊娠中に起きやすい頭皮トラブル

妊娠をきっかけに、頭皮の変化を感じる方は少なくありません。「いつもよりフケが増えた」「かゆみが気になる」といった声もよく耳にします。体調や生活スタイルの変化が重なりやすいこの時期は、頭皮の状態にも影響が出やすいといえるでしょう。ここでは、妊娠中によく見られる頭皮トラブルについて紹介します。

フケが目立つようになる原因

妊娠中は、頭皮の水分と油分のバランスが崩れやすくなることがあります。その影響で、角質が剥がれやすくなり、乾いたフケが目立つようになることがあります。頭皮が乾燥していると、フケは細かく白っぽくなる傾向があり、髪に付着して気になる方も多いようです。

一方で、皮脂が多く出ている場合には、べたついたフケが気になることも。どちらも生活習慣やケア方法と関連することがあるため、無理のない範囲で見直してみることがひとつの手がかりになるかもしれません。

かゆみや赤みをともなう炎症

頭皮にかゆみや赤みを感じるときは、何らかの刺激や乾燥によって炎症が起きている可能性があります。妊娠中は肌が敏感になる方が多く、気づかないうちに刺激になっている場合も考えられます。

たとえば、シャンプーの成分が肌に合わなくなったり、ドライヤーの熱が強すぎたりといった、ちょっとしたことがきっかけになることもあります。かゆみがあるとつい触れてしまいがちですが、できるだけ刺激を避けることを意識してみてください。

無意識のかきむしりによる悪化

かゆみを我慢できず、ついかいてしまうことは誰にでもあるものです。しかし、力強くかいてしまうと、頭皮に小さな傷ができたり、かさぶたになったりすることも。気づかないうちに状態を悪化させてしまうおそれがあるため、注意が必要です。

特に寝ているあいだは無意識にかいてしまいやすくなります。枕カバーをこまめに洗って清潔に保つ、室内の乾燥を防ぐなど、日常のちょっとした工夫で頭皮への負担をやわらげられます。

脂漏性皮膚炎の可能性と注意点

かゆみや赤み、べたついたフケが長く続くときは、脂漏性皮膚炎と呼ばれる皮膚トラブルの可能性もあります。この状態は、頭皮に本来存在する常在菌のバランスが崩れることで、炎症が起きやすくなると考えられています。

妊娠中は体調の変化が重なるため、頭皮のバランスも乱れがちになることがあります。もし、状態がなかなか改善しない場合や、不快な症状が続く場合には、無理にセルフケアだけで解決しようとせず、皮膚科などで相談してみるのもひとつの選択です。

頭皮環境を整えるためにできるセルフケア

妊娠中の頭皮トラブルは、体調や生活リズムの変化が重なって起こりやすいものです。だからこそ、無理のない範囲で頭皮をいたわるようなケアを取り入れることが、快適な毎日につながります。ここでは、妊娠中でも取り入れやすいセルフケアの方法を紹介します。

優しく洗える低刺激シャンプーを選ぶ

肌が敏感になっている時期は、できるだけ刺激の少ないシャンプーを選ぶことが大切です。香料や着色料が強いものは、妊娠中の肌に合わないと感じることもあるかもしれません。

選ぶときのポイントは、「洗いすぎないやさしい処方」であること。アミノ酸系や弱酸性のシャンプーは、必要なうるおいは守りつつ、やさしく汚れを洗い流すことができます。

シャンプーの使い方を見直す

アイテム選びだけでなく、洗い方をひと工夫することで頭皮への負担を減らすことができます。シャンプーは、手のひらでよく泡立ててから頭にのせるようにしましょう。泡立てずに直接つけると、洗浄成分が強く作用しすぎることがあります。

また、指の腹でやさしく頭皮をなでるように洗うと、必要以上の刺激を与えずにすみます。爪を立てたり強くこすったりせず、マッサージするような気持ちでケアするとよいでしょう。

洗髪後はドライヤーで丁寧に乾かす

髪を洗ったあとは、自然乾燥ではなくドライヤーを使ってしっかり乾かすことが基本です。濡れたまま放置すると、頭皮に水分が残りやすくなり、雑菌が増えやすくなるといわれています。乾かすときは、ドライヤーを頭皮から少し離し、風を分散させながらあてるようにします。同じ場所に熱風を当て続けると、乾燥や刺激の原因になりやすいため注意しましょう。

頭皮への紫外線対策も忘れずに

顔や腕などと同じように、頭皮も紫外線の影響を受けやすい部位です。外出が多い日や、日差しの強い季節には、帽子や日傘を活用して紫外線を避ける工夫が必要です。

最近では、頭皮専用のUVスプレーも市販されているため、気になる方はそうしたアイテムを取り入れてみるのもひとつの方法です。

肌質に合ったケア用品でサポート

妊娠中は、肌質がいつもと違うと感じることがあります。これまで問題なかったアイテムが、突然合わなくなったように感じたり、刺激に敏感になったりする方も少なくありません。頭皮も同じように変化しやすいため、自分に合うケア用品を選ぶことが大切です。ここでは、頭皮ケアに取り入れやすい工夫について紹介します。

香料や添加物の少ない製品を選ぶ

妊娠中は、においに敏感になる方も多く、強い香りのシャンプーや整髪料がつらく感じることがあります。香料や着色料、保存料などが含まれている製品は、肌への刺激になる場合もあるため、できるだけシンプルな成分構成のものを選ぶと安心です。

「低刺激」「無香料」「敏感肌用」といった表示がある製品をチェックしてみるのも一つの方法です。まずは少量から試してみて、違和感がないかを確認しながら取り入れるとよいでしょう。

美容オイルや頭皮用保湿液でうるおい補給

乾燥が気になるときには、保湿ケアも効果的です。頭皮にも使える美容オイルや、専用の保湿ローションなどを使って、うるおいを与える方法があります。お風呂あがりなど、頭皮がやわらかくなっているタイミングに取り入れると、よりなじみやすくなることもあります。

使用する際は、指の腹で軽くなじませるようにするのがポイントです。爪を立てたり、こすりすぎたりしないよう気をつけてください。無理なく取り入れられるケアを見つけることで、日々の負担が少しずつ軽くなるかもしれません。

症状が続く場合は皮膚科や産婦人科へ相談を

かゆみやフケが長引いていたり、赤みやヒリヒリ感が強くなったりするような場合には、セルフケアだけで対応するのが難しいこともあります。そうしたときは、無理をせず、医療機関に相談することを検討してみてください。

妊娠中は薬の使用にも注意が必要になるため、皮膚科だけでなく、産婦人科に相談するという選択肢もあります。専門の視点でアドバイスを受けることで、今の状態に合った対応策が見つかることがあります。

妊娠中の乾燥ケアで大切にしたい習慣

頭皮や肌の乾燥が気になるとき、どうしてもスキンケアやヘアケアの方法ばかりに目が向きがちですが、ここでは、妊娠中だからこそ意識したい暮らしの習慣についてご紹介していきます。

生活リズムと栄養バランスの見直し

妊娠中は、つわりや体調の変化で、これまで通りの生活リズムを保つのが難しくなることもあります。食事の時間が不規則になったり、栄養が偏ったりすると、肌や頭皮のコンディションにも影響が出ることがあります。

肉や魚、野菜、果物などをバランスよく取り入れることが基本ですが、無理に整えようとせず、食べられるものから少しずつでも構いません。水分も意識的にとることで、乾燥の対策につながります。完璧を目指す必要はなく、「できる範囲で少し意識する」ことで、からだの内側から調子を整える手助けになります。

睡眠環境を整えてターンオーバーを支える

肌や頭皮のうるおいを保つには、十分な休息も大切です。眠っているあいだに、肌の新陳代謝(ターンオーバー)が行われているとされているため、質のよい睡眠をとることは乾燥対策の一つといえます。

とはいえ、妊娠中は眠りが浅くなったり、何度も目が覚めてしまったりすることもあるでしょう。枕や寝具の素材を変えてみたり、寝る前にスマートフォンやテレビの使用を控えたりすることで、少しずつ眠りの質が変わることもあります。自分に合った睡眠環境を探してみるのもよいかもしれません。

無理をしない“できる範囲”のセルフケアを

「しっかりケアしなきゃ」と思えば思うほど、負担に感じてしまうこともあるかもしれません。体調がすぐれないときや気分が落ち込んでいるときは、セルフケアをお休みするのもひとつの選択です。

たとえば、お風呂に入れない日にはドライシャンプーを使ったり、気力がない日はトリートメントを省略する、無理をして入らないなど、その日の自分に合わせた対応で十分です。妊娠中は「毎日同じようにできない日があって当たり前」と考え、完璧を目指さずに過ごせると、こころにも少し余裕が生まれるかもしれません。

まとめ

妊娠中の頭皮の乾燥やかゆみ、フケの悩み。からだやこころが大きく変わる時期だからこそ、小さな変化にも敏感になります。どんなケアが合うのか、どう向き合えばよいのか、すぐに正解が見つからなくても大丈夫です。少しずつ自分に合った方法を探しながら、心地よく過ごせる日が増えていくことを願っています。

わたしたちは、敏感な時期をそっと支えるケアのあり方を、これからも考え続けていきます。m.i(ミィ)のアイテムも、その一助になれるように、こころとからだをそっと支えるケアアイテムをこれからも届けてまいります。