Vol.13

妊娠中に頭皮の臭いが気になるのはなぜ?原因と手軽なケア方法

  • 2025.8.18
  • m.i journal vol.13
  • コラム

妊娠中、ふと気になる頭皮のにおい。「シャンプーしてもすっきりしない…」と感じたことはありませんか?実はホルモンや体調の変化が関係していることも。ここでは、からだと心に負担をかけない、日常に取り入れやすいケア方法をご紹介します。

妊娠中に頭皮の臭いが強くなるのはなぜ?

妊娠中、「頭皮のにおいが気になるようになった」と感じる方は少なくありません。これまでと同じケアをしていても、においが強く感じられるのには理由があります。ここでは、その原因と考えられるいくつかの変化について、わかりやすくまとめています。

ホルモンバランスの変化で皮脂分泌が増えるため

妊娠期には、女性ホルモンの分泌量が大きく変わっていきます。この時期に増えるホルモンの中には、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を促す働きを持つものもあります。その結果、頭皮がいつもよりベタついたり、髪の根元が重たく感じたりすることが増えていきます。

分泌された皮脂が時間とともに酸化すると、独特なにおいが発生することがあり、それが頭皮のにおいの原因につながることもあります。

体臭の変化に敏感になる妊娠中の心とからだ

妊娠中は、からだだけでなく感覚にもさまざまな変化が起きやすい時期です。特に嗅覚が敏感になる傾向があり、これまで気にならなかったにおいを強く感じてしまうことがあります。

「これって自分だけ?」という不安や、「においがまわりに気づかれていないかな…」といった心配がふくらむこともあるでしょう。こうした感じ方の変化は、妊娠による心とからだのバランスが影響している場合もあり、誰にでも起こりうるものです。

洗髪頻度や生活スタイルの変化による汚れの蓄積

妊娠中は、体調がすぐれない日があったり、つわりが強く出る時期があったりと、生活リズムが崩れやすくなります。そのような日は、洗髪のタイミングを逃してしまったり、どうしてもケアが後回しになることもあるかもしれません。

また、髪をまとめて過ごす時間が増えることで、頭皮に熱がこもりやすくなり、汗や皮脂がたまりやすくなります。このような状態が続くと、皮脂や汗のにおいが強く感じられるようになることもあります。

皮脂の酸化がニオイの元になることも

頭皮に分泌された皮脂は、時間がたつと空気に触れて酸化する性質があります。酸化した皮脂は、いわゆる「皮脂臭」と呼ばれるような特有のにおいを発生させることがあります。

とくに、洗髪までの時間が長く空いてしまったときや、汗をかいたまま放置した場合などには、酸化が進みやすくなります。こうした状態を長く放置すると、においだけでなく、頭皮のベタつきやかゆみなど別の不快感にもつながる可能性があります。

常在菌の増殖によって悪臭が強くなる場合も

わたしたちの頭皮には、もともと「常在菌」と呼ばれる菌が存在しています。これらはふだん、肌のバランスを整える働きもしていますが、皮脂や汗が過剰になると、常在菌が必要以上に増えてしまうことがあります。

その結果として、皮脂を分解する際に発生するにおい成分が強くなり、不快なにおいとして感じられることがあります。また、気温や湿度が高い季節は菌が増えやすく、においがより気になりやすくなる傾向もあります。

妊娠中の頭皮臭を整える生活習慣

妊娠中のにおいの悩みは、日々のちょっとした生活習慣の積み重ねが関係していることもあります。ここでは、からだに負担をかけずに続けられる身近な工夫をいくつかご紹介します。

シャンプー前の予洗いとすすぎが大切

シャンプーの前に行う「予洗い」は、においのケアにおいてとても大切です。頭皮にたまった皮脂や汗、空気中のほこりなどは、お湯だけである程度洗い流すことができるため、洗浄剤をつける前にしっかりすすぐことが基本になります。

とくに妊娠中は皮脂分泌が活発になりやすく、頭皮に汚れがたまりやすい状態になっていることもあります。ぬるめのお湯(38度前後)で1〜2分ほど、指の腹でやさしく頭皮全体をなでるように流すだけでも、皮脂や汗の多くを落とすことができます。この予洗いをしっかり行うことで、シャンプーの泡立ちがよくなり、洗浄成分が髪や頭皮に均一に広がりやすくなります。

また、洗い終わったあとにしっかりとすすぐことも見落とせないポイントです。すすぎが不十分だと、洗浄成分や泡が頭皮に残ってしまい、かゆみやフケ、においの元になってしまうこともあります。耳の後ろやうなじのあたりなど、洗い残しやすい部分も丁寧に流すよう意識してみてください。

皮脂バランスを守るための洗い方

においが気になると、つい念入りに洗いたくなるかもしれません。ですが、強くこすりすぎると必要な皮脂まで落としてしまい、かえって頭皮が敏感になりやすくなります。指の腹でマッサージするようにやさしく洗い、爪は立てないように注意しましょう。

洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮に必要なうるおいまで取り除いてしまうことがあります。その結果、乾燥を補おうとして皮脂が過剰に分泌され、においが気になりやすくなる場合もあります。

妊娠中は頭皮もデリケートになりやすいため、アミノ酸系などの洗浄成分がやさしいシャンプーを選ぶと、必要なうるおいを守りながら、においの原因となる汚れだけを落とすことができます。

ストレスケアや十分な睡眠もニオイ対策に

こころが落ち着かないと、皮脂や汗の分泌も乱れやすくなるといわれています。妊娠中はホルモンの影響で気分が不安定になりがちですが、できる範囲でリラックスの時間を意識してみるのも一つの方法です。深呼吸をしたり、好きな音楽を聴いたり、短時間でも気分転換できる時間があると、体全体にも良い影響が期待できます。

また、睡眠不足が続くと、自律神経の働きが乱れやすくなり、皮脂や汗の分泌が不安定になることがあります。ぐっすり眠ることも、においを和らげるための大切な習慣のひとつです。とはいえ、妊娠中は思うように眠れない日もあるかもしれません。そんなときは、昼間の短い休憩でも十分です。少し横になるだけでも、心とからだがふっとゆるみやすくなります。

食生活を見直し、体の内側から整える

妊娠中はホルモンの変化により、皮脂の分泌量が増えやすくなるほか、胃腸の働きが不安定になりやすいため、においの原因が体の内側からくることもあるといわれています。だからこそ、毎日の食事を見直すことは、頭皮のにおいケアにもつながる手がかりになります。

野菜や果物、発酵食品などを意識的に取り入れて、腸内環境を整えることは、体臭の改善だけでなく、肌や髪のコンディションにもよい影響を与えるといわれています。また、こまめな水分補給を心がけることで、汗や皮脂のバランスも整いやすくなります。

「何を食べるか」は「どう自分をいたわるか」につながる大切な選択。がまんや制限ばかりではなく、心と体が喜ぶものを選びながら、内側から無理なく整えていきましょう。

リフレッシュもかねて「香り」に癒されるアイテムの活用も◎

根本的なにおいを完全に消すのは難しくても、自分が心地よいと感じられる香りをまとうことで、気持ちがぐっと軽くなることがあります。マタニティ期でも安心して使えるアロマや、ナチュラル処方の香りつきケアアイテムなどを選ぶのがおすすめです。

たとえば、柑橘系やラベンダーなどの香りは、気分を落ち着けてくれる作用があるといわれています。日常のスキンケアやヘアケアに取り入れることで、ふとした瞬間に心がふわっと軽くなるような心地よさを感じられるかもしれません。また、香りを楽しむことはリラックス効果だけでなく、ストレスの軽減や睡眠の質の向上にもつながるとされています。

妊娠中におすすめの頭皮臭対策とは?

妊娠中のデリケートな時期には、肌や頭皮の状態がこれまでと違うと感じることがあるかもしれません。 自分に合ったケアを見つけることが、毎日のリラックスタイムにもつながります。ここでは、妊娠中でも取り入れやすい頭皮ケアのポイントについてご紹介します。

刺激を抑えた洗浄で頭皮の皮脂バランスを保つ

においが気になると、「しっかり落としたい」と思って洗浄力の強いシャンプーを選びたくなることがあります。しかし妊娠中は、ホルモンバランスの影響で頭皮が敏感になっている場合もあり、強すぎる洗浄成分はかえって乾燥や刺激の原因になることもあります。

そのため、アミノ酸系のような洗浄力が穏やかなシャンプーを選ぶことで、余分な皮脂や汚れを落としながら、頭皮に必要なうるおいはきちんと残すことができます。毎日使うものだからこそ、使用感や香りにもこだわって、心地よく続けられることが大切です。

気になるにおいやベタつきをやさしくリセット

妊娠中は、これまで気にならなかったにおいや髪のベタつきが不快に感じられることがあります。そうした繊細な変化に寄り添うために、心地よい香りがふんわりと広がり、軽やかな仕上がりを感じられるトリートメントを取り入れてみるのもひとつの方法です。

放置時間がいらないタイプなら、体力や時間に余裕がない日でも手軽に使えます。髪を整える時間が、自分自身の気分を切り替えるひとときになれば、日々のセルフケアが少し楽しみになるかもしれません。うるおいをしっかり届けて指通りのよい仕上がりを目指せるトリートメントで、自分をいたわる時間を大切にしてみてください。

まとめ

妊娠中の頭皮のにおいが気になることは、決してめずらしいことではありません。からだの内側でさまざまな変化が起きているこの時期は、ちょっとした違和感にも敏感になるものです。

m.i(ミィ)は、日々の中でふと立ち止まったときに、そっと寄り添える存在でありたいと願っています。特別なことをしなくても、無理のないケアをすることで、こころとからだを少しずつ整える力になると信じています。