生理前の便秘がつらい…。無理なくできるお腹の整え方【医師監修】
- 2026.9.16
- m.i journal vol.70
- コラム

西野 枝里菜さん産婦人科専門医
東京大学理学部生物学科を卒業後、同大学薬学部薬科学専攻修士課程を修了。名古屋大学医学部医学科を卒業し、JCHO東京新宿メディカルセンターで初期研修を行う。その後、都立大塚病院で産婦人科後期研修を修了し、久保田産婦人科病院に勤務。基礎科学から臨床医学に至る幅広い学びと経験を活かし、産婦人科医として女性の健康を支えている。
資格:産婦人科専門医/母体保護法指定医/日本医師会認定産業医

生理前になるとお腹が張って便が出にくくなり、気分までどんよりしてしまうことはありませんか。この記事では、生理前に便秘が起こりやすい理由や、毎日の中で無理なく取り入れやすい整え方をわかりやすく紹介します。少しでも心と体が軽くなるヒントを見つけていきましょう。
CONTENTS
生理前に便秘が起こりやすい理由

生理前の便秘は、食べ方や生活リズムだけでなく、体の内側で起こる変化も大きく関わっています。まずは「なぜ生理前にお腹がつらくなりやすいのか」を知ることで、体の変化として落ち着いて受け止めやすくなるでしょう。
黄体ホルモンの影響で腸の動きがゆるやかになるから
生理前は黄体ホルモンの影響で体が水分や栄養をため込みやすくなり、腸の動きもゆるやかになりがちです。いつも通りに過ごしていても便が進みにくくなり、出しづらさを感じることがあります。普段は気にならない方でも、この時期だけ便通のリズムが乱れることは珍しくありません。生理前特有の変化だと知っておくと、あわてず整えやすくなるでしょう。
水分のため込みや冷えも関係している
生理前はむくみやすく、手足の冷えを感じる方も少なくありません。体が冷えるとお腹まわりの巡りも滞りやすく、便が硬くなる場合もあります。季節にかかわらず、内側から冷えやすい時期と考えるとよいでしょう。冷たい飲み物や薄着が続くと、お腹の重さが気になりやすくなることもあります。小さな冷え対策を意識することが、つらさをやわらげる助けになるかもしれません。
生理前の便秘で感じやすい不調

生理前は、便秘だけでなく、お腹の張りやだるさ、気分の落ち込みなどが重なりやすい時期です。ひとつの不調だけでなく、いくつかが同時に起こることで、いつも以上につらく感じることもあります。まずは生理前に起こりやすい変化として、まとめて受け止めてみましょう。
お腹の張りと食欲のゆらぎが重なる
便がたまると下腹部が張りやすくなり、食後に重たさや苦しさを感じることがあります。生理前は食欲にも変化が出やすく、甘いものが欲しくなったり、反対に食べる量が減ったりする方もいます。お腹の張りと食欲の変化が重なることで、不快感がさらに強まってしまうこともあるでしょう。
気分の落ち込みや眠りにくさにつながる
お腹がすっきりしない状態が続くと、なんとなく気分が晴れず、眠りに入りにくくなる場合もあります。心と体はつながっているので、便秘だけの問題と切り離せません。まずは不調が重なりやすい時期だと知っておきましょう。
便秘を悪化させやすい生活習慣

生理前は体調が不安定になりやすく、いつもの習慣が便秘を強めてしまうことがあります。忙しい毎日の中で無意識に続けていることもあるため、自分を責めるためではなく整えるヒントとして見直してみるのがおすすめです。
朝の食事不足
朝食を抜くと腸が目覚めにくくなり、便意のきっかけを逃しやすくなります。忙しい朝でも、温かい飲み物や軽い朝食をとることが、自然なお通じにつながるでしょう。ヨーグルトやバナナ、スープなど、負担の少ないものから始めるだけでも十分です。食べる量よりも、朝に少しお腹を動かす意識が助けになります。
便意を我慢する
外出前や仕事中に便意を我慢する習慣があると、出したいタイミングを逃しやすくなります。我慢が続くほど便が硬くなりやすいため、行けるときに無理なくトイレに向かう意識も大切です。「もう少し後でも、、、」と我慢しがちですが、数分でもトイレ時間を確保してみてくださいね。
生理前の食の偏り
生理前は甘いお菓子やしょっぱいものが欲しくなる方も多いでしょう。ただ、偏りが続くと水分バランスが乱れたり、食物繊維が不足したりして、便秘が長引く場合もあります。完全に我慢せず、量や組み合わせを意識できると安心です。たとえば、いつもの間食に飲み物を添えたり、次の食事で野菜や汁物を意識したりするだけでも十分です。食べたいものを無理に我慢するより、前後の食事でバランスをとる気持ちで整えていきましょう。
食事でできるお腹の整え方

便秘対策というと特別な食品を思い浮かべるかもしれませんが、毎日の食べ方を少し整えるだけでも違いが出ることがあります。生理前のゆらぎがある時期こそ、頑張りすぎず、続けやすい工夫を選んでいきましょう。
朝の水分と温かい食事で腸を目覚めさせる
起きたらまず常温の水や白湯を少し飲み、朝に温かい汁物ややわらかいごはんをとると、腸が動き出すきっかけになります。冷たい飲み物ばかりだとお腹がびっくりすることもあるので、体調に合わせて選ぶと続けやすいでしょう。
さまざまな種類の食物繊維を組み合わせる
野菜や豆、海藻、果物などに含まれる食物繊維は、それぞれ役割が少しずつ異なります。たとえば、野菜や豆は便のかさを出す助けになり、果物や海藻は水分を含んでやわらかさを保ちやすくしてくれます。ひとつの食品だけに偏るより、毎日の食事の中で少しずつ組み合わせることが大切です。ごはんに具だくさんのみそ汁を添えたり、朝にヨーグルトや果物を足したりする工夫なら続けやすいでしょう。
体を動かして巡りを整える

生理前はだるさが出やすく、運動する気持ちになれない日もあるものです。それでも、激しい運動ではなく、少し体をほぐす程度でも腸や血流にとってはよい刺激になります。できる範囲の動きから試してみるだけで十分です。
骨盤まわりをほぐす軽いストレッチ
座ったまま腰をゆっくり回したり、膝を抱えるように軽く伸ばしたりすると、骨盤まわりのこわばりがやわらぎやすくなります。お腹に力を入れすぎず、気持ちいい範囲で行うことが大切です。巡りを整えるきっかけにもなるでしょう。
深い呼吸と短い散歩
浅い呼吸が続くと体がこわばりやすいため、ゆっくり息を吐く時間をつくるだけでも気分が落ち着きます。さらに10分ほどの散歩を加えると、腸への刺激にもつながります。天気や体調に合わせて、少しずつ続けてみましょう。
冷え対策と過ごし方の工夫

生理前の便秘には、食事や運動だけでなく、冷やさないことや休み方の見直しも大切です。とくに忙しい日ほど体はこわばりやすいので、完璧を目指すより「冷やしすぎない」「ため込みすぎない」を意識できると楽になります。
お腹と足首を冷やさない衣類選び
薄着や締めつけの強い服は、お腹まわりをこわばらせてしまうことがあります。腹部をやさしく包むインナーや、足首を冷やしにくい靴下を選ぶだけでも安心感が出るでしょう。外は暖かくても室内で冷える場合もあるので注意したいですね。
忙しい日は座り方と休み方を見直す
長時間同じ姿勢でいると、お腹が圧迫されて張りやすくなることがあります。背もたれに深くもたれ、足裏を床につけて座るだけでも体への負担は変わります。合間に立ち上がって肩を回し、短く休むことも便秘対策のひとつになります。
薬やサプリに頼る前に知りたいこと

便秘のつらさが続くと、薬やサプリに頼りたくなることもあるでしょう。ただし、生理前の時期は妊娠の可能性にまだ気づいていない場合や、産後で体調が戻りきっていない方もいます。自己判断を急がないことが安心につながります。
強い下剤を自己判断で続けない
市販の便秘薬を何度も使う前に、まずは用法や体調との相性を確認したいところです。強い刺激のある下剤は、お腹が痛くなったり頼りすぎにつながったりすることもあります。効き目の強さだけで選ばず、迷うときは医師や薬剤師に相談してみましょう。
妊娠の可能性や産後は相談が安心
妊娠を希望している時期や可能性がある時期、また産後の授乳中などは、飲めるものに配慮が必要な場合があります。サプリや漢方も自己判断ではなく、医師や薬剤師に確認すると安心です。遠回りに見えても、その一歩が心の負担を減らせます。
受診の目安と相談するときのポイント

生理前の便秘は様子を見ながら整えていけることも多い一方で、受診したほうがよいサインもあります。また、相談の前に症状を少し整理しておくと、困りごとを伝えやすくなるでしょう。受診の目安と相談時のポイントを知っておくことが安心につながります。
強い腹痛や血便があるときは早めに受診を
いつもの生理前の不調とは違う強い腹痛がある、便に血が混じる、吐き気や発熱を伴うといった場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。便秘以外の原因が隠れている可能性もあるため、無理に我慢しなくて大丈夫です。
症状の記録が相談の助けになる
便が出ない日数だけでなく、生理周期、お腹の張り、食事内容、使った薬の有無などを簡単に記録しておくと、相談時に伝えやすくなります。毎日細かく書けなくても問題ありません。気づいたことを少しずつ残すだけでも十分役立ちます。
まとめ

生理前の便秘は、体が変化している証拠のひとつであり、一時的なものとしてあらわれることも少なくありません。思うように整わない日があっても自分を責めないでくださいね。周期が進むと落ち着くことが多いので、できる工夫を重ねながらやさしく過ごしていきましょう。
m.i(ミィ)は、生理前のゆらぎの中にいるあなたにそっと寄り添いたいと考えています。無理のない形で取り入れられることを、ひとつずつ重ねていけたら十分です。調子に波がある日も、焦らなくて大丈夫。あなたの毎日に、ほっとできる時間が少しでも増えていきますように。

