更年期の頭皮のかゆみ、どうケアする?見直したい毎日の習慣【医師監修】
- 2026.9.7
- m.i journal vol.66
- コラム

西野 枝里菜さん産婦人科専門医
東京大学理学部生物学科を卒業後、同大学薬学部薬科学専攻修士課程を修了。名古屋大学医学部医学科を卒業し、JCHO東京新宿メディカルセンターで初期研修を行う。その後、都立大塚病院で産婦人科後期研修を修了し、久保田産婦人科病院に勤務。基礎科学から臨床医学に至る幅広い学びと経験を活かし、産婦人科医として女性の健康を支えている。
資格:産婦人科専門医/母体保護法指定医/日本医師会認定産業医

更年期に入ってから、頭皮のかゆみや乾燥、ベタつきが気になり始めた方もいるのではないでしょうか。年齢のせいと我慢しがちな悩みですが、頭皮環境の変化には理由があります。この記事では、かゆみの原因や見分け方、毎日できるやさしいケアをわかりやすく紹介します。無理せず、自分に合う整え方を見つけていきましょう。
CONTENTS
更年期に頭皮がかゆくなりやすい理由

更年期の頭皮トラブルは、ひとつの原因だけで起こるとは限りません。女性ホルモンのゆらぎに加えて、乾燥しやすさや生活リズムの変化が重なり、これまで平気だった刺激に敏感になることもあります。まずは、なぜ起こりやすいのかをやさしく確認していきましょう。
更年期のホルモン変化
更年期は女性ホルモンの分泌が大きく変化しやすい時期で、その影響は肌だけでなく頭皮にも及ぶことがあります。皮脂の出方が安定しにくくなり、乾燥を感じる日もあれば、べたつきが気になる日もあるでしょう。こうした頭皮環境のゆらぎによって刺激に敏感になり、これまで気にならなかったシャンプーや汗、摩擦がかゆみにつながる場合もあります。
外からの刺激を受けやすくなる
更年期は頭皮のコンディションが変わりやすく、これまで平気だった外からの刺激が気になりやすくなることがあります。シャンプーの成分やドライヤーの熱、紫外線、ブラシの摩擦など、日常の小さな刺激が重なることで、かゆみにつながる場合もあるでしょう。少しでも違和感があるときは、負担を減らすケアを意識してみましょう。
更年期の頭皮のかゆみを見分ける特徴

頭皮のかゆみといっても、乾燥が原因なのか、皮脂の増えすぎが関わっているのかで、気をつけたい点が少し変わってきます。見た目や触れた感じの特徴を知っておくと、ケアの方向性を考えやすくなるでしょう。まずは自分の頭皮の状態をやさしく観察してみてくださいね。
乾燥タイプ
乾燥タイプでは、洗ったあとに頭皮がつっぱるように感じたり、細かなフケのような粉っぽさが出たりすることがあります。かきたくなるのに、触れるとヒリつくこともあるでしょう。保湿が足りないサインかもしれないため、刺激を減らすケアが助けになります。
皮脂タイプ
皮脂タイプは、頭皮がべたつきやすく、時間がたつとにおいが気になることもあります。かゆみと同時に毛穴まわりの重たさを感じる場合もあるでしょう。ただし、ベタつくからといって洗いすぎると、かえって乱れやすくなるため注意が必要になります。
かゆみを悪化させやすい習慣と注意点

毎日何気なく続けている習慣が、頭皮のかゆみを強めていることもあります。清潔にしようという気持ちからのケアでも、やり方によっては負担になる場合があるため、少し見直してみることが大切です。できる範囲で、刺激を減らす工夫につなげていきましょう。
熱すぎるお湯や洗いすぎ
熱いお湯はさっぱりしやすい反面、頭皮に必要なうるおいまで流しやすくなります。さらに、一日に何度も洗ったり、強くこすったりすると、乾燥や赤みを招くことも。清潔を保つことは大切ですが、やさしく洗うことを意識するだけでも負担は減らせるでしょう。
カラーや整髪料による頭皮への負担
ヘアカラーやスタイリング剤は、体調や頭皮状態によっては刺激に感じやすくなります。以前は平気だった製品でも、しみたり、かゆみが出たりすることもあるでしょう。使用後に違和感が続くときは無理をせず、頻度や量を見直すことが安心につながります。
毎日のシャンプーで意識したいケアの基本

頭皮のかゆみがあるときほど、特別なことを増やすより、いつもの洗い方を整えることが大切です。シャンプーのやり方を見直すだけでも、刺激を減らしやすくなります。毎日続けやすい基本のケアを知って、頭皮に負担をかけにくい習慣へ整えていきましょう。
爪を立てず指の腹でやさしく洗う
洗うときは、爪を立ててゴシゴシこするより、指の腹で小さく円を描くように動かす方法がおすすめです。シャンプー前にぬるま湯で予洗いをすると、汚れが浮きやすくなります。力を入れすぎないだけでも、かゆみの悪化を防ぐ助けになるはずです。
すすぎと乾かし方を見直して刺激を減らす
シャンプーやコンディショナーの洗い残しは、頭皮への刺激になりやすいポイントです。生え際や耳の後ろまで丁寧にすすぎ、タオルでやさしく水気を取りましょう。ドライヤーは近づけすぎず、熱を当てすぎないようにすると、乾燥対策にもつながります。
頭皮をすこやかに保つ生活習慣

頭皮の状態は、外からのケアだけでなく、食事や睡眠、気持ちのゆらぎにも影響を受けます。更年期は体と心の変化が重なりやすい時期だからこそ、毎日の土台を整えることが大切でしょう。完璧を目指さず、続けやすい生活習慣から少しずつ取り入れてみてください。
栄養バランスのよい食事
頭皮のすこやかさを保つには、特定の食品だけに頼るのではなく、毎日の食事全体のバランスを整えることが大切です。肉や魚、卵、大豆製品、野菜などを無理なく組み合わせることで、頭皮や髪に必要な栄養を補いやすくなります。完璧じゃなくてもいいので、一食ずつやさしく整えていきましょう。
睡眠リズムを整える
更年期には、女性ホルモンの変化の影響で、眠りが浅くなったり、途中で目が覚めたりすることがあります。これは更年期によくみられる自然な変化のひとつなので、「眠れない」と自分を責めすぎないでくださいね。毎日同じ時間に休むことを意識したり、寝る前のスマートフォン時間を短くしたりと、無理なく続けられる工夫を取り入れることが、睡眠を整える助けになるでしょう。
軽い運動や入浴でめぐりを整える
長時間同じ姿勢で過ごしたり、体が冷えたりすると、頭皮のこわばりや不快感が気になりやすくなる場合があります。軽いストレッチや散歩、ぬるめのお湯での入浴などを取り入れると、気分転換にもなり、めぐりを整える助けになるでしょう。できる範囲で少しずつ続けることが大切です。
市販の頭皮ケア用品を選ぶときの考え方

頭皮のかゆみが気になると、何か新しいアイテムを試したくなるかもしれません。ただ、更年期のゆらぎがある時期は、合うものと合わないものの差を感じやすいこともあります。成分の細かな知識にこだわりすぎるより、使い心地と刺激の少なさを大切にして選んでいきましょう。
香りや洗浄力が強すぎないものを選ぶ
すっきり感の強い製品や香りの印象が強いものは、気分転換になる一方で刺激に感じる場合もあります。頭皮が敏感なときは、やさしい使い心地のものを選ぶと続けやすいでしょう。使用後に乾燥やつっぱり感が強まらないか、チェックしてみましょう。
新しいケアは少量から試して様子を見る
評判のよい製品でも、今の自分の頭皮に合うとは限りません。新しいシャンプーや頭皮用アイテムは、いきなり毎日使うより少量から始めると安心です。使用後にかゆみや赤みが強くならないかを見ながら、無理のない範囲で取り入れていくとよいでしょう。
受診を考えたいサイン

更年期の頭皮のかゆみは日常ケアで落ち着くこともありますが、自己判断だけでは見極めにくい場合もあります。いつものゆらぎと思って我慢しすぎるより、早めに相談したほうが安心につながることもあるでしょう。受診の目安を知っておくと、必要なときに動きやすくなります。
ケアで整わないときは受診を選択肢に
毎日のケアを見直しても頭皮のかゆみが続くと、不安になることもありますよね。そんなときは、ひとりで頑張りすぎず、受診もひとつの選択肢として考えてみましょう。いつから気になるのか、どんなときに強くなるのかをメモしておくと、相談の助けになります。早めに専門家へつなぐことが、安心につながる場合もあります。
赤みや湿疹、抜け毛が目立つときは早めに相談
かゆみだけでなく、頭皮の赤み、湿疹、強いフケ、じゅくじゅくした感じがあるときは、ほかの皮膚トラブルが隠れている可能性があります。抜け毛が急に増えたと感じる場合も、早めの相談が安心です。変化が続くときは、様子を見すぎないようにしましょう。
まとめ

更年期の頭皮のかゆみは、体が変化しているサインのひとつかもしれません。一時的なこともあるため、つらさを感じても自分を責めないでくださいね。更年期のゆらぎが落ち着くにつれて、違和感が軽くなる場合もあります。無理のないケアを重ねながら、少しずつ整えていきましょう。
m.i(ミィ)は、ゆらぎやすい時期を過ごすあなたが、少しでも自分らしくいられるようにそっと寄り添いたいと思っています。頭皮のかゆみは、気持ちまで沈ませてしまうことがあるかもしれません。そんなときこそ無理を重ねず、できることをひとつずつ。あなたの毎日に、ほっとできる瞬間が増えていきますように。

