Vol.18

産後に髪が抜けるとき、ひとりで悩まないためのヒント

  • 2025.9.1
  • m.i journal vol.18
  • コラム

出産後、突然抜け毛が増えて驚いた――そんな声は少なくありません。忙しい毎日のなかで、自分の変化に戸惑うのはごく自然なこと。この記事では、産後の髪の変化に不安を感じたときに役立つ情報をまとめています。

突然の抜け毛に戸惑ったら知っておきたいこと

出産後のある日、いつも通り髪を洗っただけなのに、手にごっそりと髪の毛が絡みついていて驚いた。そんな経験をした方は少なくありません。髪が抜けることは目に見える変化であるため、不安や戸惑いにつながりやすいものです。

ここでは、「なぜこんなに抜けるの?」「自分だけじゃないの?」と感じたときに、知っておきたい背景や気持ちとの向き合い方を整理していきます。

髪がごっそり抜けた…実は自然な流れかもしれません

出産後に髪が急に抜け始めたように感じるのは、体の中で起きている自然な変化が影響しています。妊娠中は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが多く分泌されるため、髪が抜けにくい状態が続きます。これにより、通常よりも髪が多く保たれたままになっています。

ところが、出産を終えるとホルモンの分泌量が妊娠前の状態に戻り、成長期にとどまっていた髪が一斉に抜け始めることがあります。これが「分娩後脱毛」と呼ばれる現象です。このような変化は多くの方に見られるものであり、病気や異常とは限りません。時間とともに回復していくことが一般的であるため、まずはそのしくみを知ることが安心感につながります。

産後に髪が抜ける原因とは?脱毛の仕組みと正しい対策法【美容師監修】

「わたしだけかも…」と思ってしまう気持ちへの向き合い方

抜け毛が増えると、「ほかの人はこんなに抜けていないのでは?」と不安になってしまうことがあります。自分の見た目にはどうしても敏感になりやすいものです。「自分だけがこんな状態なのでは」と感じるのは、決して特別なことではありません。

しかし、実際には多くの産後ママが同じような悩みを経験しています。「誰にも話せずにいたけれど、同じような話を聞いて安心した」といった声も少なくありません。そうした共感の体験を通じて、自分を責める気持ちをやわらげるきっかけになることがあります。ひとりで抱え込まず、「同じように感じた人がいる」と知ることが、気持ちの支えになるかもしれません。

多くのママが通ってきた、産後の髪の変化

「こんなに抜けて本当に戻るのだろうか」と不安になる気持ちは自然な反応です。ですが、過去に同じ経験をした先輩ママたちの多くが、時間の経過とともに髪が回復していくことを実感しています。たとえば、「半年ほどで少しずつ元の量に戻ってきた」「生え際に短い髪が出てきて安心した」といった声も多く見られます。

もちろん回復のスピードには個人差がありますが、大切なのは「変化には終わりがある」と知っておくことです。

抜け毛のピークと終わりの目安を知っておこう

一方で、産後1年を過ぎても抜け毛が目立ったままの場合もあります。そのようなときも、必ずしも異常とは限りません。ストレスや睡眠不足、栄養状態などが影響し、回復に時間がかかることもあるためです。ただし、頭皮のかゆみや炎症、全体的な薄毛が続く場合は、皮膚科や産婦人科など専門の医療機関へ相談してみることも選択肢の一つです。

また、「抜け毛がほとんど気にならなかった」という方も一定数存在します。ホルモンの変化が穏やかだったり、育児環境や体質によって差が出ることがあるためです。他の人と比べず、自分のペースで髪の変化を見守ることが、気持ちの安定にもつながります。

産後に髪が抜けるのはいつまで?時期・原因・ケア方法を解説【医師監修】

髪と心を整えるために、今できるちいさなこと

産後の生活は、想像以上に慌ただしく、からだだけでなく気持ちにも余裕が持てなくなることがあります。抜け毛が増えるという変化に向き合いながら、育児や家事に追われる毎日は、とても大きなエネルギーを必要とします。

そんな中で「髪のケアまで気が回らない」と感じることは、決して珍しいことではありません。ここでは、完璧を目指さなくても、無理のないペースで心と髪に向き合える、そんな過ごし方のヒントをご紹介します。

生活リズムは完璧じゃなくていい。整えすぎない習慣のすすめ

出産後は、生活のすべてが赤ちゃん中心になります。昼も夜も関係なく、授乳やお世話に追われる中で、自分のペースで動けなくなるのは自然なことです。「規則正しく過ごさなければ」と思うほど、できない自分に落ち込んでしまうこともありますが、完璧なリズムを目指さなくても、あなたのペースが何より大切です。

毎日決まった時間に寝たり、食事をとったりするのが難しいときでも、「今日は少しだけ休めた」「朝ごはんだけはしっかり食べられた」といった小さな積み重ねが、回復につながっていきます。自分のペースで無理なく続けられることに目を向けていくことで、心も少しずつ落ち着いてくるはずです。

食事や睡眠に「できることだけ」を取り入れる

髪の健康には、栄養と休息が大きく関係しています。ただ、産後はまとまった睡眠が取れなかったり、食事が不規則になったりすることも多く、理想的な生活を送るのは難しいと感じる方がほとんどです。そんなときは、「完璧なバランス」ではなく、「これならできそう」と思えることがひとつあれば、それだけで十分です。たとえば、朝に一杯の味噌汁を加える、間食にナッツやヨーグルトを選ぶだけでも、たんぱく質やビタミンを補うことができます。

睡眠についても、夜に長く眠れない日が続くなら、赤ちゃんが寝ているタイミングに横になって一緒に目を閉じてみるだけでもかまいません。少しでも「休めた」と感じる時間を持つことが、心身の回復に役立ちます。

セルフケアで、自分をそっといたわる時間を

忙しい毎日の中でも、ほんの数分だけ「自分に向き合える時間」があると、それだけで気持ちが少し和らぐことがあります。たとえば、シャンプーの香りや感触にふっと癒やされる瞬間。そんな時間が、自分を整えるきっかけになることもあります。m.i(ミィ)のチェリッシュ マムシリーズは、産後の乾燥等が気になる繊細な頭皮と髪を考えて設計されたセルフケアアイテムです。

マンダリンオレンジ精油の香りがふんわりと広がり、心地よく使える点が特徴です。「何かを頑張る」のではなく、「ちょっと整える」だけで、自分らしさが少しずつ戻ってくる。そんな時間を、毎日の中にそっと取り入れてみてはいかがでしょうか。

髪型やスタイリングの工夫で、気持ちもふわっと軽く

産後の抜け毛が増えると、鏡を見るのが少しつらく感じる日もあるかもしれません。「見た目の変化にどう向き合えばいいのか分からない」そんな気持ちに寄り添いながら、髪型やスタイリングでできる小さな工夫を取り入れてみるのもひとつの方法です。

ここでは、自宅でもできる簡単なアレンジや、髪の印象をやわらかく整えるアイデアをご紹介します。

「前髪が薄くなった…」ときのアレンジアイデア

抜け毛の影響で、とくに前髪や生え際が目立ってしまうことはよくあります。いつもと同じ髪型でも、ふとした拍子に「なんだか前よりボリュームが減った気がする」と気づいてしまうと、不安な気持ちになることもあるかもしれません。

そんなときは、前髪を軽く流すようなスタイリングに変えるだけでも、印象は変わります。また、ヘアピンやターバンなどを使って、視線を散らす工夫も有効です。無理に隠そうとするより、「今の状態に合った形で整える」ことが、気持ちのやすらぎにつながります。

美容院に行けなくてもできる、自宅での髪型ケア

赤ちゃん中心の毎日が続く中で、美容院へ足を運ぶ時間が取れない方も多いでしょう。そんなときでも、自宅でできるシンプルなケアやスタイリングを取り入れることで、髪への意識が少し変わっていくことがあります。

たとえば、毛先を整えるだけのセルフカットや、普段よりも軽めのヘアオイルでまとめるだけでも、扱いやすさはぐっと変わります。髪の変化に戸惑う気持ちがあっても、「今の自分に合うスタイルを見つける」という視点に切り替えてみるのもよいかもしれません。

スプレーや分け目チェンジで印象を変える小さな工夫

髪が抜けた部分が目立つのは、同じ分け目を続けていることも一因です。いつもの分け目とは逆側に変えてみると、根元の立ち上がりが出て、ボリュームのある印象に見せやすくなります。

また、気になる部分に軽くスプレーやワックスを使って髪の流れを整えるだけでも、ふんわりとした印象に仕上がります。

焦らなくて大丈夫。髪もわたしも、ゆっくり戻っていく

産後、髪が抜けやすくなってきたと感じると、つい鏡をのぞく回数が増えたり、「このままずっと続くのかな…」と心配になることもあるかもしれません。でも、こうした変化は、体が少しずつ元に戻ろうとしている過程のひとつとも言われています。「今はそういう時期なんだな」と思えるだけでも、少しだけ気持ちがラクになることもあります。 無理に前向きになる必要はありませんが、少し視点を変えてみるだけで、心の中に余裕ができることもあるかもしれません。

いつもより少しだけ丁寧に髪を洗ってみたり、やさしい香りのアイテムを取り入れてみたり。毎日忙しく過ごしていると、「できていないこと」に目が向きやすくなるものですが、「今日もここまで頑張れた」という視点で振り返ってみると、自分の中にある力に気づけることもあります。どんな日も、あなたはちゃんと過ごせています。そんなふうに、今の自分に少しやさしくなれる時間を持てていただけたら嬉しいです。

まとめ

出産や育児、体調の変化が重なる時期は、からだだけでなくこころにもさまざまなゆらぎが訪れます。 「こんなことで悩んでいるのは自分だけかも」「これくらいで弱音は吐けない」──そんなふうに、誰にも話せず、無理をしてがんばってしまうこともあるかもしれません。

m.i(ミィ)では、そうした女性が心身の変化を“ひとりで背負ってしまう”時期のことを「しょいこみ期」と呼び、そっと寄り添う存在でありたいと考えています。がまんするのではなく、変化を自然に受けとめ、自分をいたわる時間をもつこと。それが、明日を少しやさしくする第一歩になると信じています。日々のセルフケアを通して、ほんの少しでも心が軽くなるお手伝いができればと願っています。